歯周病治療
歯周病を治療することが、
全身の健康を守ることにもつながります。
歯周病とは?
「歯周病ってどんな病気なの?」
「歯周病になるとどういった症状が出るの?」
「歯周病になると、身体にとって他にどんな危険があるの?」
意外と知らない歯周病のことを、以下にまとめてみました。一度目を通していただければ、歯周病のことがなんとなくお分かり頂けるかと思います。
歯周病の症状
歯周病の代表的な症状には、下記のようなものがあります。
- 歯ブラシをすると出血する
- 口臭が気になる
- 歯肉が痩せた
- 歯が揺れる
- 歯が長くなったような気がする
- 食べ物が歯と歯の間に詰まる
- 歯並びが悪くなってきた
歯周病は非常にゆっくりと進行するため、歯周病に罹患していると自覚する人は決して多くありません。
上記のような症状が少しでも見られる方は、早めに歯科医院を受診されることを強くお勧めいたします。
当院の院長である内海大輔は、日本歯周病学会専門医の資格を有しております。
「もしかしたら歯周病かもしれない…」と不安の方、ぜひご相談ください。
※日本歯周病学会専門医は、平成20年の歯科医師数99,426人の中で825人しか取得してない資格です。
本学会専門医は5年以上あるいは認定医取得後2年以上、研修施設で専門的な歯周病の知識と技量をマスターした上で専門医試験に合格した歯周病学会員です。
歯周病の原因
歯周病に罹患してしまう原因としては、以下のようなことが考えられます。
- プラーク(歯の表面に付着する細菌で歯垢ともいう)
- 歯石(プラークが石のように硬くなったもの)
歯周病は、歯と歯ぐきとの間にあるすき間(歯周ポケット)にプラーク(歯垢)がたまることによって起こります。
プラーク(歯垢)は細菌の集まりです。この細菌が出している毒素によって炎症を起こし、歯ぐきが赤く腫れたり、歯ぐきが弱くなったりしてしまうのです。
プラーク(歯垢)を放置してしまうと、だんだんと石灰化し歯石へと変化します。この歯石が非常に厄介なのです。
歯石はご家庭の歯ブラシでいくら磨こうとも、なかなか取れるものではありません。
こればかりは歯科医院で専門の器具を使用し取ってもらわなければならないのです。
そしてプラーク(歯垢)や歯石がどんどん溜まっていくと、歯と歯ぐきの間にあるすき間(歯周ポケットと呼びます)が深くなり、ますます歯垢や歯石が溜まりやすくなり、歯周病が進行してしまいます。
歯周病は進行が非常に遅く、罹患していることに気付かないことは上記で述べました。初期の状態ならまだしも、症状がどんどん進行してしまった場合、歯肉炎だけにとどまらず、歯周炎へと移行します。歯周炎へ移行するといよいよ膿が出始め口臭の原因となり、最悪の場合、歯槽骨が溶け歯が抜け落ちてしまいます。
このように歯周病は、本当はとても恐ろしい病気なのです。
歯周病を進行させるリスクファクター
歯周病を発症しやすくし、進行を加速させる原因としては、以下のようなものが挙げられます。
- 噛み合わせ
- 歯ぎしりや食いしばり
- 日常的な喫煙
- 糖尿病
- 肥満
- 精神的なストレス
これらを見ていただいてもおわかりいただけるかと思いますが、慢性的な生活習慣の乱れや精神的な原因までもが、歯周病の進行に影響してくるのです。
歯周炎が全身に与える影響
歯周病の影響が及ぼす範囲は、口腔内だけではありません。
例えば、
- 動脈硬化
- 心筋梗塞、狭心症
- 細菌性心内膜炎
- 脳梗塞
- 低体重児出産、早産
- 糖尿病
これらの病気の発症や重症度に、歯周炎が関係してくるのです。
歯周病の治療法
まずは原因である歯の表面に付着するプラークを患者様ご自身で、歯ブラシや歯間ブラシ,フロス等を使用して毎日除去して頂きます。(歯ブラシ等の使用方法は当医院の歯科衛生士が、丁寧にご指導いたします。)
歯ブラシがうまくいかないと歯周炎は絶対に良くなりません。歯ブラシができれば、歯周炎治療と歯周炎予防はおおむね成功です。
歯ブラシでは除去できない、また、歯肉のなかの根に付着した歯石や汚れを専用の器具を使って除去します。
上記の治療を行っても完治しない場合、歯周外科処置や歯周再生療法を行います。残念ですが抜歯を行うこともあります。
また、必要であればリスクの除去をします。咬み合わせの調整、マウスピースの装着、矯正治療、禁煙指導等を行います。
歯周病は、その進行度合いによって治療法が違ってきます。歯周病の進行度合いと症状、それに伴う治療法について、以下で詳細に解説します。
Ⅰ期:歯肉炎(歯肉ポケット3mm以内)
症状
いわゆる「歯周病初期」の時期です。歯周病菌の出す毒素などで歯ぐきが腫れ、むずむずするといった症状がありますが、一般の方では歯周病だと判断し難いでしょう。
治療方法
歯の周りの歯垢や歯石を取り除き、毎日規則正しく丁寧にブラッシングを行えるようにします。
Ⅱ期:軽度歯周炎(歯肉ポケット3mm以上~5mm以内)
症状
「歯周ポケット」と呼ばれる溝ができ、プラーク(歯垢)や歯石が溜まります。歯ぐきから出血したり、歯肉が腫れます。同時に徐々に歯槽骨が溶け始めます。
治療方法
歯周ポケットの歯石を取り除き、ブラッシングやマッサージを行い、症状の回復を見込みます。
Ⅲ期:中等度歯周炎(歯肉ポケット5mm以上~7mm以内)
症状
炎症が奥まで進み、歯ぐきはブヨブヨした状態になり、血や膿が出て口臭もひどくなります。歯槽骨がかなり溶けて、歯がぐらつき始めます。
治療方法
ブラッシング、マッサージ、歯石の除去をまずは行いますが、必要に応じて歯周外科手術を行います。
Ⅳ期:重度歯周炎(歯肉ポケット7mm以上)
症状
歯周病の末期症状です。歯槽骨がほとんどなくなり、歯根が露出します。ものを噛むことができず、最悪の場合、歯が抜け落ちることもあります。
治療方法
歯の保存は非常に難しいため、残念ながら抜歯が必要となるケースが多くみられます。
高難易度の治療法
上記は一般的な治療法ですが、一部特殊な治療法もあります。