50代女性 腫れた奥歯に精密根管治療を行った症例
2025.11
治療前
治療後
| 初めの相談内容 | 「左上奥の歯茎が腫れているので診てほしい」とご相談いただきました。 |
|---|---|
| 診断結果 | 拝見したところ、左上奥歯の歯茎が腫れていました。 レントゲン撮影および歯茎の検査の結果、左上奥歯に根尖性(こんせんせい)歯周炎が確認できました。 根尖性歯周炎は虫歯の細菌感染などが原因で歯の神経が壊死したあとに起こる病気で、細菌が根の周りの組織にまで広がり、炎症を起こして膿がたまります。 このまま放置すると歯を支える骨が溶け最終的に歯が抜けてしまうおそれがあるため、感染した組織をしっかり取り除く治療が必要と診断しました。 |
| 行った治療内容 | 根尖性歯周炎の基本的な治療は、根管治療です。これは、歯の内部にある細菌に感染した組織を取り除き、その後、薬剤でしっかりと封鎖する治療法です。 今回は、治療の成功率を高めるため歯科専用の顕微鏡であるマイクロスコープを用いた精度の高い根管治療(精密根管治療)を提案し、同意いただきました。 併せて精密根管治療のメリット・デメリットについてもお伝えしています。 メリット:肉眼では見えない歯の内部構造をマイクロスコープで詳細に確認しながら根管治療を行うため、感染組織をしっかり除去でき再発リスクを低減させることが可能 デメリット:マイクロスコープを用いるため、1回あたりの治療時間が通常の根管治療よりも長くなることがある。自由診療で保険適用の治療に比べて費用がかかる まず歯を削って神経の部屋を露出させ、マイクロスコープで拡大しながら感染した組織を丁寧に取り除き、洗浄・消毒を行います。 その後、消毒と洗浄を繰り返し、歯の内部が清潔になったことを確認したうえで専用の薬剤を隙間なく詰めました。 根管治療後の歯は強度が低くなるため被せ物で補強できるよう、被せ物を装着する土台を作製し型取りを行いました。 後日、完成した被せ物を調整・装着して治療は終了です。 |
| 治療期間 | 6ヶ月 |
| 費用 | 精密根管治療 85,000円 |
| 治療のリスクについて | ・まれに根管治療後も再治療、外科手術、抜歯などの処置が必要となる場合があります ・治療中まれに器具の破折、被せ物や詰め物など修復物の損傷、歯の破折が起こる場合があります ・治療中や治療後に不快症状が出たり、治療後に痛みや腫れなどが生じたりする可能性があります ・一部の治療を除き、自費診療(保険適用外)です |


