40代女性 細菌感染が起こって腫れた奥歯をマイクロスコープによる精密根管治療で改善した症例

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2025.07

治療前

治療後

初めの相談内容 「右上奥歯が腫れている」とご相談いただきました。
診断結果 レントゲン撮影をして詳しく拝見したところ、右上の奥から2番目の歯根の先端部分に黒い影が見られました。
これは、歯根の先端部分で細菌感染が起こり、周囲の骨に炎症が生じている根尖性(こんせんせい)歯周炎という状態です。

根尖性歯周炎は、過去の虫歯治療や外傷などが原因で歯の神経が死んでしまい、歯根の中で細菌が繁殖することで発症します。

このまま放置すると、痛みや腫れが悪化して歯を失うリスクがあるため、早急な治療が必要だと診断しました。
行った治療内容 患者様には、以下2つの治療方法を提案しました。

①顕微鏡を用いた精密根管治療
精密根管治療とは、マイクロスコープという高倍率の顕微鏡を使用して、歯根内の細菌を徹底的に除去し、歯を温存する治療方法です。
ご自身の歯を残し、噛み合わせや見た目を維持することができる一方、治療期間が長くなったり、歯根の状態によっては治療が難しい場合があったりする点がデメリットです。

②抜歯
根尖性歯周炎を発症している歯を抜く方法です。
確実に感染源を除去できますが、抜歯後は入れ歯や人工歯根を埋め込むインプラント、被せ物を連結したブリッジなど、欠損部分を補う治療が必要になります。

それぞれの治療について、メリットとデメリットを詳しくお伝えしたところ、患者様は「歯を残したい」との希望から、①の精密根管治療を選択されました。

まず、ラバーダムというゴム製のシートで患部以外の歯を覆います。これは、唾液や細菌の侵入を防ぎ、清潔な環境を整えるためのものです。

次に、マイクロスコープで歯の内部を高倍率で観察しながら、歯根内を専用の器具で丁寧に清掃し、消毒液を用いて徹底的に殺菌します。

清掃と消毒を何度か繰り返し、歯根の先までしっかりと清掃できたことを確認したあと、清掃した根の中の空間を埋めて再感染を防ぐ役割をもつ根管充填材で歯根を密封しました。

最後に仮の詰め物を装着し、精密根管治療を終了しています。
治療期間 5回
費用 77,000円
治療のリスクについて ・まれに根管治療後も再治療、外科手術、抜歯などの処置が必要となる場合があります
・治療中まれに器具の破折、被せ物や詰め物など修復物の損傷、歯の破折が起こる場合があります
・治療中や治療後に不快症状が出たり、治療後に痛みや腫れなどが生じたりする可能性があります
・一部の治療を除き、自費診療(保険適用外)です