40代女性 マイクロスコープを用いた精密な根管治療で歯の痛みを取り除いた症例

2024.10

治療前

治療後

初めの相談内容 「今できている虫歯の治療と下の前歯に痛みもあるので診てほしい」とご相談いただきました。
診断結果 拝見したところ、下の前歯は欠けており、虫歯が認められました。
さらに、レントゲン撮影で詳しく検査をした結果、ほかの複数の歯にも虫歯が見つかり、下の前歯は虫歯菌による細菌感染が原因で根っこの先に炎症が起き、膿が溜まる「根尖性(こんせんせい)歯周炎」であることが判明しました。
また、細菌感染が根の先端から広がり、過去に根の治療が施されている隣の前歯にも感染が及んでいました。

このまま放置すると、細菌感染がさらに広がるおそれがあります。さらに、下の前歯を支える顎の骨が溶け歯がグラグラと揺れ、噛んだときに違和感が出たり、ほかの虫歯も進行して痛みが生じたりする可能性も考えられます。

以上のことから、早めの治療が必要であると診断しました。
行った治療内容 下の前歯2本の根尖性歯周炎を改善するため、虫歯菌に感染した根管内を清掃・消毒する「感染根管治療」を行うこと、ほかの虫歯もしっかりと治療することを提案し、同意いただきました。

感染根管治療の際は、歯科用顕微鏡「マイクロスコープ」を用いた精密な根の治療「マイクロエンド」をおすすめし、こちらも了承いただいています。

まず、下の前歯2本の虫歯部分を取り除きます。
次に、治療する歯のみゴムのシートで隔離する「ラバーダム防湿」を使用して、唾液や細菌の侵入を防ぎながら、マイクロエンドで根っこ内部の感染組織を丁寧に除去しました。
根管内を殺菌したあと、再び感染しないよう薬剤を詰め、密閉しています。

その後、天然歯に近い色調の歯科用プラスチック「コンポジットレジン」を詰め、噛み合わせに問題がないことを確認しました。
最後に、ほかの歯の虫歯治療も行い、歯の痛みがないことを確認したうえで治療を終了しています。
治療期間 4回
費用 70,000円
(マイクロエンドを含む)
治療のリスクについて ・まれに根管治療後も再治療、外科手術、抜歯などの処置が必要となる場合があります
・治療中まれに器具の破折、被せ物や詰め物など修復物の損傷、歯の破折が起こる場合があります
・治療中や治療後に不快症状が出たり、治療後に痛みや腫れなどが生じたりする可能性があります
・一部の治療を除き、自費診療(保険適用外)です
・治療後に正しい歯磨きやメンテナンスを怠ると、虫歯が生じる可能性があります