50代女性「歯がないところがある、虫歯も治して欲しい」虫歯の除去や抜歯など総合的な治療を行い、連結した被せ物「ブリッジ」や「入れ歯」で噛めるように治療した症例
2023.09
治療前
治療後
初めの相談内容 | 「歯がないところがある、虫歯も治して欲しい」とご相談いただきました。 |
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診断結果 | 拝見したところ、左上前歯(中切歯/1番)、右下前歯(犬歯/3番)、右下奥歯(第1大臼歯/6番)は、差し歯が取れ歯根が虫歯になっていました。 右上前歯2本(中切歯、側切歯/2番)と右上奥歯(第1大臼歯)は、歯茎との境目の部分「歯頚部」が虫歯になっていました。 被せ物が装着されている部分も、歯茎が下がって露出した歯根が虫歯になっていました。 右の上下奥と左下の奥は、歯がないままの状態「欠損」となっていました。 また欠損によって、奥歯で噛み合わせることができないため、下前歯に上前歯が覆いかぶさるような深い噛み合わせ「過蓋咬合」になっていました。 かなり長期間歯科治療を受けていなかったようで、多くの歯に問題がありました。 根本的な治療から噛み合わせの治療まで見越した、総合的な処置が必要と診断しました。 |
行った治療内容 | 欠損部分への治療は、取り外しができる「部分入れ歯」を装着し、奥歯で噛めるようにするご提案をしました。 被せ物が取れて虫歯になっている部分は、予後不良のため抜歯が必要であることをご説明しました。 その他の虫歯は除去をして、根が細菌感染している部分は「根管治療」を行い、被せ物「クラウン」や連結した被せ物「ブリッジ」を装着するご提案をしました。 また歯の汚れ除去などを行う「歯周病治療」、深い噛み合わせを改善する「矯正治療」も組み合わせた総合的な治療をご提案し、同意をいただきました。 左上中切歯と右下犬歯は、抜歯後両隣の歯を土台にしてブリッジを装着し、抜歯部分を補いました。 右下第1大臼歯の抜歯後は、他の欠損部と共に入れ歯で噛めるように補いました。 過蓋咬合に対しては、ワイヤーを使った固定式の矯正装置で、正しい噛み合わせになるよう治療しました。 歯周病治療の際は、再度虫歯ができたり歯周病が進行したりすることのないように、患者様自身でのケアが大事であることをご説明し、歯磨きのご指導なども行いました。 |
治療期間 | 約3年 |
費用 | 約2,000,000円 |
術後の経過や現在の様子 | 奥歯でしっかり噛めるようになり、前歯の深い噛み合わせが改善されました。 前歯の被せ物や入れ歯部分の噛み合わせに痛みや違和感はなく、経過は順調です。 患者様からは「噛み合わせも回復し、話す・噛むといった動作が快適に行えるようになった」と大変喜んでいただけました。 現在は、定期的にメンテナンスにてご来院されています。 |
治療のリスクについて | ・脱式のため、食後の清掃が必要です ・最初のうちは異物感があり、慣れるまで時間がかかる場合があります ・慣れるまでは、入れ歯の裏側の粘膜に傷ができる場合があります ・治療が終わった後も、十分なセルフケアが必要です ・正しいブラッシングやメンテナンスを行わない場合、歯石の付着や虫歯が生じる可能性があります |
クリニックより | 今回は幸い大臼歯が残っていたので、入れ歯の支えになる骨組みの面積をかなり減らすことができたため、装着時の違和感を軽減することができました。 |